よくある質問
Q.1 : 二酸化塩素工業会の自主基準値(室内濃度指針値)では 0.01ppm と設定されていますが、その濃度で効果があるのでしょうか?
A.1 : 二酸化塩素工業会では「室内濃度指針値」として、0.01ppm と設定しました。 この値は、当工業会に加盟する各社が製品を製造販売する際の濃度の目安としてヒトがその濃度の空気を一生涯にわたって摂取しても、健康への有害な影響は受けないであろうと判断される値であり、定常状態における濃度水準を示したもので、最大許容濃度や二酸化塩素ガスの有効濃度を示したものではありません 1)、 2)。
低濃度二酸化塩素での 25m3閉鎖空間における浮遊細菌と浮遊ウイルスの低減効果の確認が行われており、以下の結果が得られています 3)。
0.01ppm の二酸化塩素ガスは、浮遊黄色ブドウ球菌を自然減衰と比較して 120分後に 2.8log CFU/m3 (99.8%)、180分後には 3.3log CFU/m3 (99.95%) の低減が確認されています。 また、浮遊ΦX174ウイルス(大腸菌ファージ)を自然減衰と比較して 180分後に2.1log CFU/m3 (99.2%) の低減が確認されています。
3) : 三浦ら,平成26年度第41回日本防菌防黴学会年次大会講演要旨集,p169.
Q.2 : 高濃度の二酸化塩素ガスにはどのような危険性がありますか。
A.2 : 国内では二酸化塩素の許容濃度は法的に定められてはいません。一方、国外では、1日 8時間、1週40 時間の時間荷重平均濃度(TLV-TWA、 Time-Weighted Average)として0.1ppm、1日の作業のどの時間においても超えてはならない15 分間の時間加重平均濃度(TWA TLV-STEL 、Short-Term Exposure Limit)として0.3ppm等の値が定められています。ここでは、これらの濃度を超えたガスを高濃度の二酸化塩素ガスとします。
高濃度の二酸化塩素ガスの場合、障害レベルの濃度(AEGL-2)として8時間 0.45ppm、10分間 1.4ppm等が、死亡レベル濃度(AEGL-3)として8時間 0.98ppm、10分間 3ppm等が定められています 1)。なお、実際の事故事例としては、作業中に19ppmの二酸化塩素ガスに暴露された作業者の死亡が報告されています(暴露時間は不明) 2)。また、著しく高濃度の二酸化塩素ガス(10% =100,000ppm、v/v)は爆発しやすいこと 3)や、様々な材料に腐食を起こすことなども報告されています 4)。
高濃度の二酸化塩素ガスは除染に用いられる等、高い除菌能力を持つ反面、取り扱いが難しく、原則として有人環境で用いることはできません。
(参考)AEGLの詳細については以下を参照下さい。
http://www.nihs.go.jp/hse/chem-info/aegl/agnote.pdf
1) : 国立医薬品食品衛生研究所ウェブサイト
http://www.nihs.go.jp/hse/chem-info/aegl/agj/ag_Chlorinedioxide.pdf
2) : Toxicological Profile for Chlorine Dioxide and Chlorite:U.S. Department of Health and Human Services Public Health Service Agency for Toxic Substances and Disease Registry September 2004
3) : 国際化学物質簡潔評価文書 No.37二酸化塩素(ガス)
http://www.nihs.go.jp/hse/cicad/full/no37/full37.pdf
4) : Compatibility of Material and Electronic Equipment with Chlorine Dioxide Fumigation EPA/600/R-10/037, August 2010
Q.3 : 家庭用製品の二酸化塩素製品の安全性は?
A.3 : A.2にも記載していますが、国外では1日8時間、1週40時間の時間荷重平均濃度として0.1ppm、1日の作業のどの時間においても超えてはならない15分間の時間荷重平均濃度として0.3ppm等の値が定められています。また、2014年3月に一般社団法人 日本二酸化塩素工業会より、『二酸化塩素の自主運営基準設定のための評価について -ガス剤-』が自主運営基準ではありますが公にされています。
これらより、現在、二酸化塩素工業会に加盟している企業様の製品につきましては、これら基準の下、安全性にも配慮し、製造しております。